ヤマハ発動機 — モビリティデザインを再定義する、クリエイティブで安全・安心な生成AIの活用
生成AIがもたらす圧倒的な創造のスピードと知的財産を守る確かな信頼性、その両立を実現する新しい時代のデザインプロセス

未来の農業をデザインする
高齢化が進む農業や、多様な地形を抱える日本の地域社会において、新たなモビリティの形を模索する。ヤマハ発動機は、次世代の農業を支える電動モビリティ「Concept 451」を開発し発表しました。
デザインの初期段階から生成AIを活用し、短期間で多様な方向性を検討するために選ばれたのが、Final Aimのデザイン・知財管理プラットフォーム「Final Design」です。
Final Designは、生成AIによる創造のスピードと、企業が最も重視する知的財産の信頼性と安全性を両立させる、まったく新しいデザインワークフローとアウトプットを実現しました。
Final Designがイノベーションの中心に
生成AIはデザインの可能性を飛躍的に広げる一方で、企業にとっては著作権や意匠権などの知的財産権の侵害や帰属、最終デザインの知的財産権の担保、中間生成物から最終データの真正性の管理といったリスクを伴います。
Final Designは、こうした生成AIを導入することで発生する懸念を低減し、創造と管理を同時に成立させるプラットフォームとして開発されました。
AIによって生成された画像、テキスト、3Dデータなど、すべての成果物はスマートコントラクトで安全に記録。「誰が」「いつ」「どのように」生成したのかが明確化され、改ざんや漏洩のない状態でプロジェクト全体を管理できます。
ヤマハ発動機は、Final Designによって安心して発想を拡げ、試行を重ねることができる環境を手にしました。この信頼性の高い仕組みこそが、生成AIをクリエイションの中心に据えるうえでの前提条件となり、Final Designはまさにイノベーションの中心として機能しました。


生成AIを用いたデザイン ― 企画からアイデア発想までを高速サイクルで具現化
ヤマハとFinal Aimのチームは、まず生成AIを活用し農業の現場課題や将来予測、未来像やユーザー像などを調査し分析。その洞察をもとに、多数の生成AIデザインツールを駆使し、わずか数週間で2,000件を超えるデザイン案を生成しました。
膨大なアイデアとその過程は、Final Design上で整理・管理。生成AIを用いることで、たとえば、農作業時の視界確保を目的にフロントピラーを排した構造など、これまでの発想にはない斬新なアイデアを得ることができました。
業務効率も、Final Designを軸としたこのプロセスにより大幅に改善され、従来に比べてデザインイテレーション(反復)の時間を約50%短縮しました。

生成AIを活かし、領域や部門を越えた共通のビジョンでつながる
生成AIの導入は、ツールや手法の変化にとどまらず、プロジェクトメンバーやチーム間の共創文化にも影響を与えました。
企画、デザイン、エンジニアリング、マーケティングといった各担当者が、モビリティのあるべき姿や方向性などの検討内容を瞬時に共有できるようになり、意思決定のスピードと透明性が向上。創造性と技術、そして知的財産のマネジメントが、ひとつの連続したワークフローとして機能する新しい企業文化が生まれました。
「Concept 451」のプロトタイプは、2024年の東京オートサロンで発表されました。それは単なるモビリティの提案にとどまらず、ヒトの創造性と生成AIテクノロジーのメリット、そして知的財産の有効性を融合させた、新しいイノベーションのあり方を象徴する存在となりました。

生成AIによるデザインの業務基盤としてのFinal Design ― 安全で持続可能なAI活用へ
ヤマハ発動機による「Concept 451」は、クリエイション・テクノロジー・知的財産を融合させた、新しいデザインアプローチの象徴です。
この取り組みは、生成AIを一過性の実験ではなく、企業が安心して活用できる持続的なエコシステムとして定着させるモデルケースとなりました。
Final Designは、企業の創造活動を支える信頼性やコンプライアンスを同時に実現し、生成AIの価値を安全に社会実装するための中核的なプラットフォームとして進化を続けています。
本プロジェクトは、Autodesk社の年次カンファレンス「Autodesk University」において、革新的なデザイン・ものづくりのハイライト事例として紹介されました。
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